科学運動

小池東京都知事による関東大震災朝鮮人犠牲者追悼文取り止めに対する抗議声明

 

小池百合子東京都知事が、201991日に「9.1関東大震災朝鮮人犠牲者追悼実行委員会」が主催する、関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式に、都知事名での追悼文の送付を三年連続で取り止めた。

追悼式は、日朝協会東京都連合会や日中友好協会などによって組織された実行委員会が、都立横網町公園(東京都墨田区)において、1973年以降毎年開催しているものである。1923年の関東大震災では、「朝鮮人が井戸に毒を流した」などといった流言飛語が広がったことで、軍隊や警察、自警団などによって数千人ともいわれる朝鮮人、中国人が虐殺された。式典では、そうした人びとへの追悼がおこなわれている。

1973年以来、式典には歴代の都知事が知事名で追悼文を寄せてきた。しかし、20173月、都議会で自民党都議が、主催団体の案内文に虐殺の犠牲者数が「6千余名」とあるのは根拠が希薄などとして問題視し、追悼文送付を見直す必要性を指摘した。これに対し、小池都知事は、「毎年慣例的に送付してきた。今後については私自身がよく目を通した上で適切に判断する」と答弁し、見直しを示唆した。都建設局はこの答弁などを受けて追悼文の送付中止を検討し、その方針を小池都知事も了承した。

新聞報道によれば、小池都知事は追悼文を送らない理由について、「(都慰霊協会が主催の)大法要で、犠牲となったすべての方々への哀悼の意を表している」とし、「個別の形での追悼文の送付は控える」と報じられている。しかしながら、朝鮮人虐殺は、民間人の差別意識の問題と合わせて、日本の植民地支配とも密接に結びついて起きたものである。その意味で、虐殺による被害者と自然災害による犠牲者を同列に追悼することは、虐殺の歴史を隠蔽する行為にほかならない。

歴史研究では、関東大震災時の朝鮮人虐殺事件に関して実証的な成果が今日まで膨大に積み重ねられてきた。その成果として、軍隊や警察が流言・デマの拡散に主体的に関与した国家的・組織的犯罪であったこと、さらにその上で数千人の朝鮮人・中国人の虐殺がおこなわれたことなどが具体的に明らかにされている。そのため、この事件に関して国家に加害責任があることは明白である。

追悼文の送付は、東京で起きた民族差別による虐殺行為という歴史的な教訓を忘れない、二度と繰り返してはならないという、東京都民の積年の思いが込められていたのであり、小池都知事個人の問題ではないのである。追悼文の送付取り止めを既成事実化しようとする小池都知事の姿勢は、歴史認識の甘さを露呈するだけでなく、そうした東京都民の思いをも踏みにじるものでもある。

なお、墨田区長も今年も追悼文の送付を見送った。自治体の首長らによる送付取り止めを既成事実化しようとする動きは、関東大震災時の朝鮮人虐殺の歴史を否定する言説の広がりをも助長することになりかねない。

過去に犯した加害の歴史から目を背ける行為によって、来年度のオリンピック・パラリンピックの開催を控え、国際都市を掲げる東京のあり方が厳しく問われることになるだろう。当会は、小池東京都知事が関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式への追悼文の送付を取り止めたことに対して、強い抗議の意を表明する。

2019926

東京歴史科学研究会

声明.pdf

【シンポジウム 歴史教科書 いままでとこれからⅻ】

【報告 
  • 原田敬一(佛教大学)
    「高校日本史教科書の比較検討―近現代史を中心に―」
  • 小松克己(元埼玉県立高校教員)
    「高校日本史教科書の2015年度検定の実態と問題点」
  • 近藤孝弘(早稲田大学)
    「国際的な観点から歴史の学力を考える―歴史総合への期待...」
【日時】2016 年6月19日(日)13:00~17:30

【場所】東京大学農学部1号館2F 8番教室
東京メトロ南北線「東大前」駅より徒歩3分/東京メトロ千代田線「根津」駅より徒歩7分/御茶ノ水駅前より都バス(茶51駒込駅南口又は東43荒川土手操車所前行)で「東大農学部前」下車徒歩3分

資料代】  800 円

主催 歴史学研究会/歴史科学協議会/日本史研究会/地方史研究協議会/歴史教育者協議会/東京歴史科学研究会/出版労連/子どもと教科書全国ネット21
連絡先 歴史教育者協議会 03-3947-5701

【シンポジウム 歴史教科書 いままでとこれから PARTⅩ】

【日時】2014 年6月15日(日)午後1時30分~5時

【場所】東京大学農学部2号館2階 化学第1講義室
農学部正門入ってすぐ地下鉄南北線「東大前」1番出口1分/千代田線「根津」1番出口7分/丸の内線・大江戸線「本郷3丁目」より15分

【報告 

  • 最近の教科書制度改変と小学校新教科書(2015年度使用開始)をめぐる状況
  • 近年の歴史教科書記述の変動とその学問的ならびに社会的背景

  ①日中戦争の全体像について 東京歴史科学研究会

  ②日本軍「慰安婦」について 歴史教育者協議会


資料代】  800 円

主催 社会科教科書懇談会/歴史学研究会/歴史科学協議会/日本史研究会/地方史研究協議会/歴史教育者協議会/東京歴史科学研究会/出版労連/子どもと教科書全国ネット21
連絡先 歴史教育者協議会 03-3947-5701

【シンポジウム 歴史教科書 いままでとこれから PARTⅨ】

【日時】2013 年6月16 日(日)午後1時30分~5時30分

【場所】 東京大学農学部1号館8番教室
 農学部正門入ってすぐ
 地下鉄南北線「東大前」1番出口1分/千代田線「根津」1番出口7分
 丸の内線・大江戸線「本郷三丁目」より15分

【報告】 
  • 今年公開された高校歴史教科書(2014年度使用開始に対する検定の実態と問題点 大串 潤児
  • 日本史教科書の「戦後史」記述を検証する―「占領期」から安保体制成立までを中心に― 歴史学研究会
  • 安倍政権の「教育再生」政策は教科書をどう変えようとしているか 子どもと教科書全国ネット21 俵 義文

資料代】  800 円

主催 社会科教科書懇談会/歴史学研究会/歴史科学協議会/日本史研究会/地方史研究協議会/歴史教育者協議会/東京歴史科学研究会/出版労連/子どもと教科書全国ネット21
連絡先 歴史教育者協議会 03-3947-5701

東京歴史科学研究会2012年度第1回合同部会
「シンポジウム 歴史教科書 いままでとこれからPARTⅧ」準備会

【報告】
「歴史教育で災害史をどう取り上げるか-古代から現代まで-」東京歴史科学研究会ワーキンググループ
  • 趣旨説明・報告の視点 加藤圭木
  • 古代・中世(教科書分析を含む) 小坂望
  • 近世(教科書分析を含む) 田中元暁
  • 近現代(教科書記述の分析) 雨宮史樹
  • 近現代(事例研究①) 大堀宙
  • 近現代(事例研究②) 井上直子
  • 災害をめぐる教育実践 小山亮

*6月16日に開催される「シンポジウム歴史教科書いままでとこれからPARTⅧ」で、東歴研が報告の一つを担当します。
今回の合同部会は、これにむけての準備会です。みなさま、お誘い合わせの上、ご参加ください。

【日時】
2012年5月23日(水) 18:00~

【場所】

※教室までの経路:
リバティータワー1階からエレベーターで17階にいき(高層階用低層階用どちらでも可)、一旦おりた後、同フロアーの中程にある大学院専用エレベーターに乗り換えてください。
【シンポジウム 歴史教科書 いままでとこれから PARTⅧ】

【報告】
  • 歴史教育で災害史をどう取り上げるか―古代から現代まで― 東京歴史科学研究会
  • 東アジア近現代史の教科書記述を検討する―世界史の記述を中心に―  歴史教育者協議会  
  • 今年の高校教科書検定と沖縄戦記述 君島和彦
  • 「国際歴史教科書ワークショップ」の討議から 齋藤一晴
【日時】 2011年6月16日(土) 13:30~17:30
【開場】 出版労連本部 会議室 (文京区本郷4-37-18本郷いろはビル2階 03-3816-2931)
資料代】  800 円

主催  「教科書に真実と自由を」連絡会/社会科教科書懇談会/史学研究会/歴史科学協議会/日本史研究会/地方史研究協議会/史教育者協議会/東京歴史科学研究会/出版労連/子どもと教科書全国ネット 21
連絡先 歴史教育者協議会 03-3947-5701

【シンポジウム 歴史教科書 いままでとこれから PARTⅦ】

【報告】
  • 育鵬社版・自由社版歴史教科書の近代記述の分析 歴史学研究会
  • 育鵬社版・自由社版歴史教科書の近現代記述の分析 東京歴史科学研究会
  • 新中学校歴史教科書全般の問題点―近現代史の記述を中心に― 歴史教育者協議会

【日時】 2011年6月11日(土) 13:30~17:00
資料代】  800 円

主催  「教科書に真実と自由を」連絡会/社会科教科書懇談会/史学研究会/歴史科学協議会/日本史研究会/地方史研究協議会/史教育者協議会/東京歴史科学研究会/出版労連/子どもと教科書全国ネット 21
連絡先 歴史教育者協議会 03-3947-5701